教員の方へ


目次



授業計画

香川高専では次のように授業を進めています.
一回の授業は90分です.

基礎編 1章~3章 15コマ
1週 : ガイダンス 1.1 ダイオード特性 "
2週 : 1.2作図による解法 "
3週 : 1.3 近似モデルを用いた解法 " "
4週 : 1.4 整流回路
5週 : 1.5 定電圧回路(基礎編)
6週 : 1.6 ダイオードを用いた応用回路
7週 : 2.1 トランジスタ特性 2.2 トランジスタ回路の計算
8週:中間テスト
9週 : 2.3 スイッチング回路
10週: 2.3 スイッチング回路
11週: 2.4 バイアス計算
12週: 2.4 バイアス計算
13週: 3.1 増幅回路の作図による解法
14週 : 3.2 固定バイアス増幅回路
15週 : 3.3 交流負荷線
16週 : 期末テスト

基礎編 4章~6章 15コマ
1週 :4.1 hパラメータ
2週 :4.2 等価回路
3週 :4.3 デシベル計算
4週 :4.4 自己バイアス増幅回路
5週 :4.5 電流帰還バイアス増幅回路
6週 :5.1 オペアンプの基本動作 5.2 電圧比較回路
7週 :5.3 非反転増幅回路
8週 :5.4 反転増幅回路
9週 :中間テスト
10週 :5.5 加算回路と減算回路
11週 :6.1 同相入力電圧範囲
12週 :6.2 単電源動作非反転増幅回路
13週: 6.3 単電源動作の反転増幅回路
14週 :6.4 コンバータ(タイマー回路
15週: 6.4 コンバータ(タイマー回路)
16週 "期末テスト テスト返却"

実用編 7章~13章  15コマ
1週 :7.1 RCフィルタ
2週: 7.2 オペアンプを用いたフィルタ
3週 :8.1 入力回路
4週 :8.2 出力回路
5週 :9.1トランジスタやオペアアンプを用いた定電圧回路
6週 :10.1 PNPトランジスタ
7週: 10.2 プッシュプル電力増幅回路
8週: 中間テスト
9週: 11.1 トランス
10週 :11.2 変調と復調の理論
11週 :11.3 振幅変調回路
12週 :12.1 発振回路の基礎
13週 :12.2 コルピッツ発振回路と水晶発振回路
14週 :12.3 パルス発振回路 13.1 MOSFETの基礎"
15週: 13.2 MOSFETを用いたスイッチング回路
16週: 期末テスト

 

授業の進め方

確認問題を解きながら授業を進めて行きます.
確認問題は,本文の内容をまとめたものです.
以下の手順で学生に解答させながら授業を進めて行きます.

1.始めに教員が回路図を板書して問題の意図を説明をする
2.学生に問題を解かす(前で解いてもらう)
3.教員が解答の解説を加える

問題ごとに上記の手順を繰り返して授業を進めます.

学習にあたり必要となる数学と電気の知識

数学の知識

基礎編の1章~3章までは,高度な数学の知識は必要ありません.

4章    : 対数計算
6章,12章: 指数計算
7章,12章: 複素数計算
11章   : 三角関数

電気の知識

1章では,キルヒホッフの法則と重ね合わせの理の知識を必要とします.
2章では,テブナンの定理を使います.

 

指導要領

1章 ダイオード回路
非線形回路は,学生にとって理解が難しく,初期の段階で十分に非線形回路の解析方法を定着させます.非線形回路が解けなけないと,この後の授業は全て理解できなくなります.
そこで,ダイオード回路の演習問題をたくさん用意しました.
ダイオード回路では,近似特性を用いて電子回路(非線形回路)を電気回路(線形回路)に置き換えて解く手法を学びます.
この章では,キルヒホッフの法則,重ね合わせの理を用いて回路を解きます.
2章  トランジスタ回路
トランジスタのバイアス回路は,後の応用回路を理解する上で大変重要です.
多くの練習問題を解きながら,トランジスタ回路を理解させます.
ここでも近似特性を用いた解法が使われます.
バイアス回路の解析方法は,テブナンの定理が役立ちます.
テブナンの定理を用いて複雑なトランジスタ回路を簡単な回路に置き換えることで,トランジスタ回路が理解しやすくなります.
テブナンの定理は,電子回路において強力な解析ツールとなります.

また,この章ではスイッチング回路について詳しく学びます.
スイッチング回路は実際の回路で頻繁に使われるため,設計できるようになるまでしっかりと教える必要があります.
3章  増幅回路(基礎編)
直流負荷線,交流負荷線のグラフを用いて,増幅回路の動作を視覚的に理解させます.
4章  増幅回路(実用編)
ここでは,hパラメータを用いた交流解析の方法を学びます.
トランジスタ増幅回路を hfeとhieを用いた等価回路に変換して解析します.
回路を理解しやすくするために,増幅回路で用いられるバイパスコンデンサやカップリングコンデンサは全て十分大きな値とし,インピーダンスはゼロとして扱います。
5章  オペアンプ(基礎編)
オペアンプの基本動作を理解するために,比較回路より解説します。
増幅回路の動作はバーチャルショートを用いて解説すると,学生は理解しやすいです。
オペアンプ回路は電子回路において,大変重要な単元です.
たくさんの演習問題を解かせて,解析方法を定着させます.
6章  オペアンプ(実用編)
理想オペアンプや両電源を用いた回路を単電源で動作させると,入力電圧範囲の問題により動作しない場合があります.ここではオペアンプにバイアスを加えて単電源で動作する実用的な回路を解説します.
また,比較器でよく使われるコンパレータにつて解説します.
オペアンプとの違いやその使い方について解説します.
学習指導の手引き
以下の教育論文は,「ものづくり教育のための電子回路の基礎」について書かれたものです.2013年に書かれています.
下のボタンをクリックすると,PDFファイルをダウンロードできます.
教材の紹介
本書で紹介した知識を用いて製作できる実習用の教材(赤外線センサとアラーム回路)を紹介します.